こわーい話

怖い話を紹介します。

窓からのぞく影

私は保育園の先生をしてるんだけど、
今さっき、今日お休みした子供の所に、手紙届けて来たんだよね。
その子の家は、超田舎町の古臭い集合住宅。
そしたら留守みたいでさ、電気もついてなくて、車も無い。
仕方無く郵便受けの所に手紙突っ込んで、はぁやれやれと
自分の車に乗り込もうとした。その時、ふっと目線を
その子の家の、部屋の窓に向けたんだよね。
古い住宅だから、カーテンじゃなく、障子の窓。
でもって、ちょっと障子が破れている。
「あー、〇〇ちゃんが破ったんだろうなぁ」って思いながら
破れた所を何の気無しに見た。
すーっと血の気が引いた。
破れた所から、じっとこっちを見ている二つの目。
私の車のヘッドライトに照らされながら、
瞬きもせずこっちを見ている。子供じゃない。お母さんでもない。
おばあちゃん…?この子の家におばあちゃん居たっけ…?
私は即座に視線をそらして、車に乗り込んで、エンジンをかけた、
その時、突然にその部屋の電気がぱっとついた。
ひぇぇ~!と思いながらそのまんま振り返りもせず、
車を発進させた。辛うじてバックミラーに見えたのは、
障子に手をかけ、ガタガタと開けようとしてた黒い影。
あー、怖かった。

お札を剥がさないで

ある引っ越し業者のAさんはその日、先輩達と仕事をしてました。
とりあえず部屋の荷物は全て運び終え、Aさんはぐるっと部屋を見渡し
ました。部屋はすっからかんになり、ふと柱に目がいったのです。
 柱には変な物が貼っていました。それはおふだでした。Aさんは少し
無気味に思いました。下の階へ降りようとしてる先輩達に「このおふだ
剥がしてもいいっすよね?」と言うと、先輩は「当たり前だろ。ちゃん
ときれいにしておけよ。」と言い下へ降りました。


 Aさんはまずい事してるんじゃないかと思いつつ、おふだに手を伸ば
したその時、電話が鳴りました。自分の携帯かな?とAさんは思いまし
たが、違う。どうやらこの部屋の電話が鳴っている様です。
しかし、さきほど電話回線は切られ、コードをぐるぐる巻にしたばかり
です。電話がつながる訳ありません。
 恐る恐る受話器を手にとりました。受話器の向こうで聞き慣れた声が
聞こえます。それはこの業者の社長の声でした。
 
「おおAか。どうだ調子は?このあと**さん家に行って...。」
Aさんはこの後もう一件、仕事をすることになった。続けて社長は「と
ころでさあ。柱におふだとかあるだろ!?あれって剥がさないでくれよ
な。な。」Aさんは「え!?もう剥がしちゃいましたよ。だってそうし
ろって先輩がいうから...。」社長は「なんで!?なんで剥がしちゃ
うの!??」Aさんは、まずい事したかなあと思いました。


「なあ!!なんで剥がしちゃうんだよ!!」社長は怒鳴りつけました。
Aさんは恐くなってきました。するとだんだん社長の声が低い男の声に
かわり、地の底から唸るような声で、





 「なんで剥がしたんだよ!!」 
 




 Aさんはそこで気を失い、気がついたらまさに今、おふだを剥がそう
とする瞬間でした。
 それ以来、この引っ越し業者に新しいルールが加わりました。それは


「おふだ、又はそれに類似する物にはむやみに触ってはいけない。」


たしか桜金造氏の話です。

交通渋滞

これは、私が19歳のゴールデンウィークに体験した話です。
 私は二人の友人とともに、車で海水浴に行く途中でした。
 車が渋滞に阻まれ、なかなか進めずにいた時です。
 運転をしていた友人が、ニヤニヤしながらこんな事を言い出しました。
 「こんだけ沢山の車があるんだから、霊に執り憑かれてる人とか車があるかもしれないな」
 「もしかして、すぐ前の車とか後ろの車がそうだったりして」
 すると、助手席に座っていた友人が、すぐにこう言うのです。
 「だったら暇だし、こっちに幽霊、来てくんないかな」
 私はその言葉を聞いた時、友人が言ってはいけない事を口にしてしまったような気がしました。
 だから私は「おいおい、ホントに幽霊こっち来たらどうすんだ」と思わず言ってしまったのです。
 しかし、私の言った事が彼を刺激してしまったのでしょう。
 彼は「そしたら幽霊ちゃん、たっぷり可愛がってやるよ」と言って、笑い出しました。
 それにつられたのか、もう一人の友人も「めんこくねぇ幽霊が来たら、どつく」と言って、一緒に笑い出します。
 そんな二人に私は呆れてしまい、もう何も言えませんでした。
 でも、二人はすぐに黙り込んでしまったのです。
 私は不思議に思い、「おい、どうしたんだよ急に」と尋ねてみました。
 すると二人は、代わる代わるこう言うのです。
 「バックミラーに、何人かの人影が映っている」
 「サイドミラーにも、写ってるぜ」
 私は彼等の言う人影を確認し、ゾッとしました。
 するとその時、突然に車が振動し、すぐに動かなくなったのです。
 後ろの車はクラクションを鳴らし前進を促しますが、私達の乗っている車は動き出す気配すらありません。
 運転をしていた友人が、堪らず声を荒げて叫びました。
 「ちくしょう、動きやがれ!」
 すると突然に車が動き出し、その瞬間に女性の声が聞こえたのです。
 「私は連れて行ってちょうだい」
 「顔には自信があるから」